不妊治療について
1.不妊治療のスタートは…
● 治療方針をご夫婦共にご理解いただくことから…
皆様に、より充実した医療を提供するために、子供が出来なくてお悩みの方を対象にした外来を実施しております。
この治療を開始する方には、治療方法についての基本的考え方や、治療方針のご説明をいたします。また、治療を継続されている方には、現在の状況、今後の方針についてご説明をいたします。もちろん、説明と同意を基本にした治療を実施しています。
不妊治療は往々にして長期に及ぶことがあり、先の見えない不安から精神的に辛い状況におちいることもしばしば見受けられます。治療に対する医師からの充分な説明に加え、治療を継続して頂く為に、不安や精神的苦痛を軽減することを目的とし、不妊相談を実施しております 。不妊治療の必要性から選択できる治療内容など、患者さんが必要とする情報提供を行い、安心した気持ちで治療を受けていただけるようサポートします。 その際、ご夫婦と当院との信頼関係が最も重要と考えています。
2.不妊の主な要因は…
● 不妊は、大きく10余りの要因が考えられます。
不妊症の原因はひとつではなく、大きく分けても10余りの原因が考えられます。それらの中からひとつあるいは複数が関与して起こります。同時に不妊症の治療も原因によって異なります。
例えば、腹痛の場合でも虫垂炎、胃潰瘍あるいは胆石などと原因がいろいろあるのと同じです。
しかし、不妊の原因を適切に診断することは容易ではなく、妊娠成立の中で医師が関わることのできる部分も限られています。また、年齢を重ねるごとに女性の受胎能は低下するので、医学的治療を早く受けるほど妊娠の可能性は高くなることは事実です。
3.どうやって原因を見つけるの?
● 大まかな原因を確かめるための検査を行います。
治療(一般不妊治療)の始めに基本的な検査を順序立てて行い、不妊の原因を探ります。検査の必要性や方法を充分に理解し検査を受けてください。不妊治療の原因を見極めないで、不適切な治療を受けていたのでは、良い結果は得られません。まずは、大まかな原因を確かめるために検査を行います。
● 不妊症の二次検査
不妊症の基本検査で異常を認めたり、不妊治療期間が長期に及んだ場合は、次の二次検査を受け精査する必要があります。これらの検査は必要に応じて行うべきもので、不妊だからといって全ての方が受ける必要はありません。
4.不妊治療の第一歩(一般不妊治療)
<最初の6ヶ月>
これから説明します治療の手順は欧米でも採用されています。もちろん各検査の段階で異常が認められた場合には、あなたの状態に合わせた治療を進めていきます。
不妊治療の理解を深めると共に、基本的な検査で不妊の原因を探りながら、排卵日には性交のタイミングを指導いたします。
■ 不妊相談
個別に治療の方法や検査の内容をご説明します。
■ 基本検査
基礎体温測定、フーナーテスト、精液検査、頸管粘液検査、子宮卵管造影、経膣超音波診断、血液検査を行い、不妊の原因を診断します。
■ タイミング指導
排卵日を予測、妊娠の可能性の高い日に性交を持つように指導します。
■ 黄体補充
排卵前後に黄体誘発ホルモン(hCG筋肉注射)の補充や排卵後に黄体ホルモン(デュファストン4錠12日間)の補充を行ない、妊娠を促します。
<次の6ヶ月〜2年>
半年間の基礎検査の結果、あなたの状態に合わせ治療を進めていきます。
■ 経口排卵誘発療法
経口の排卵誘発剤で卵胞の発育を促進し、また黄体機能の改善を図ります。
■ ゴナドトロピン療法(HMG-HCG療法)
注射薬による排卵誘発剤で卵胞の発育を促進し、タイミングよく排卵されると共に、黄体機能の改善を図ります。
■ ドパミンアゴニスト療法
高プロラクチン血症、乳漏症に伴う排卵障害の改善を図ります。
■ その他の薬物療法
子宮内膜症や子宮筋腫の治療 不育症の治療 月経不順 感染症治療の抗生剤
■ 人工授精
洗浄精子による子宮腔内精子注入法。
5.一般不妊治療で妊娠しない場合には…(体外受精)
● 体外受精ー胚移植法について
体外受精-胚移植法は、1978年イギリスで始まり、IVF-ETとも呼ばれています。この治療法は、子宮外妊娠を2回し、両側の卵管がなくなってしまった女性などに対して行われ、卵巣から直接卵子を採って、培養容器内で受精させ受精卵を直接子宮腔内に戻す方法です。 最初のうちは両側の卵管が詰まっている場合にのみ用いられていた体外受精-胚移植法ですが、現在では、夫の精子が少ない乏精子症や、妻の体に精子に対する抗体(抗精子抗体)ができている場合、原因不明の不妊症の場合などに対しても行われます。
6.当院からのメッセージ
お互いに愛し合い結婚して、ふたりの赤ちゃんが欲しいと思う気持ちは、ごく自然な気持ちだと思います。その思いとは裏腹に、なかなか赤ちゃんが授からないご夫婦は少なくありません。周りを見渡せばたくさんの子どもたち、なぜ私たちには赤ちゃんが授からないの、と不安を抱えて受診されるご夫婦もまた少なくありません。
ただ、『赤ちゃんが欲しい』という今の素直な気持ちを大切に、私たちと一緒に第一歩を踏み出しませんか?固く、難しく考えず、赤ちゃんを授かるために、いま何ができるかを私たちと一緒に考えて行きましょう。わからない事、心配な事、不安な事があればふたりで悩まず、まず医師やスタッフに遠慮なく相談して下さい。
なかなか赤ちゃんが授からず、先の見えない不安から、精神的につらい状況におちいることもしばしばあるようです。だからと言ってあきらめず、必ず良い結果が出る事を信じて、前向きに取り組んでいきましょう。ご夫婦に1日も早く赤ちゃんが授かる事を心よりお祈りいたします。
医療法人 真心会 南草津野村病院 スタッフ一同